自立援助ホーム みずきの家 加藤利明
この6月、みずきの家は5周年を迎えます。小さく頼りない一歩から始まったわたしたちの活動は、いつの間にか積み重なって、ほんのわずかですが 何かを物語れる 一つの区切りを迎えました。ひとえに 皆様のお力添えですが、忘れてならないのは 主人公である利用者の存在です。彼らと過ごした時間が わたしたちを育ててくれました。
5年の間に 20名の利用者を迎え入れ、17名が新しい場へと 移っていきました。その一人ひとりに、忘れられない たくさんのエピソードがあります。人生のある時期、一年にも満たないときですが、家族のように重なるとき、「共に過ごす時」に支えられた体験を 持てた証であり、それは大事 な宝物なのです。
みずきの家には『みずきの下をかよう風』と題する 歌があります。最近、新しい歌『小さな風~みずきの家から~』ができました。その歌詞の中に
みずきの下を くぐりぬけてく 七色の風
ほつれあって まじりあって ふりむかず 過ぎていく
降りやんだ 冷たい雨 いつか陽射し浴びて
そよぎだす 小さな 風の種に なるのだろう
があります。
歌にある「七色の風」たちは、小さな風となって 社会を吹き渡っています。生き難さの中で 自らを傷つけながら 必死に生きる風や、失敗しながらも 前向きに進む風もいます。どうか この小さな風たちに やさしく微笑んでください。力なく たたずむ風に 温かなまなざしを、そして生きることの意味を、言葉ではない あなた自身の身を持って 伝えて下さい。それがわたしたちの願いです。
これまでの5年間で発行してきた通信からの抜粋や、読者投稿などが集められています。
お問合せ:みずきの家